J「こんなルートを…、しかもリードだなんて、怖くないんですか?」
サカエ「怖い…」
サカエ「だが、怖さのないクライミングは本質を欠く」
🇧🇷2023/07/19 AM 10:00
カンポス・ド・ジョルダン行きのバスが来るまでの間に、バスターミナルにてSIMカードを購入していた。SIMカードが売られている場所は簡単に見つかった。ひと昔前のタバコ売り場のような狭い空間にスマホグッズが敷き詰められており、指先から何センチも突き出たネイルをものともせずスマホを巧みに操作している女性のスタッフに声を掛けた。英語はロクに通じないが、幸い「SIMカードが欲しい」くらいのポルトガル語はすぐに出てきた。
JのiPhone,通称「ジェイフォン」のSIMカードをその場で差し替える。キャリアは2つあるようだが、どちらの方が電波範囲が広いかは分からない。4年前に来た時はClaroを利用したが、Ubatuba(ウパトゥバ)の宿で圏外だったこともあり、消去法でもう一つのキャリアを選択した。カードの登録にはCPFが必要と言われる。CPFはマイナンバーみたいなものだが当然そんなものは持っていない。すると店員が登録するために自分のCPFを使ってくれた。いくら何でも優しすぎる。いいのだろうか、謎の日本人に自分のマイナンバーを教えてしまって。
問題はチャージの仕方だった。チャージするためにサイトを開くが、支払いはPIXのみ。PIXはブラジルで普及している送金システムだが、こちらもアカウントを作ることが出来ず、チャージが出来ない。電話からも手続きができると言われたが、何度電話をかけても自分が持っているクレジットカードではチャージが出来ないと言われる。のちにスーパーのレジなどでチャージ出来ることを知るが、これも支払い出来るときと出来ないときがあった。いずれにせよ、この場所ではチャージが出来なかったので、諦めて移動を開始した。
10:30発のバスでカンポス・ド・ジョルダンへ。
末席の3席をL字に押さえ、自分がサカエさんの隣に座り、Joeは前の席に座った。旅の景色を楽しむつもりだったがあまりの疲労と安堵感からすぐに意識を失ってしまった。約3時間のバス旅の中で覚えているのは、途中どこかの街のバスターミナルで休憩が入ったことと、ボヤけた視界の端に確かに映ったパンツ一丁のサカエ・ナカハラの姿だった。あれは悪夢だったのかもしれない。疲労が瞼に蓋をしてくれたおかげですぐにもう一度眠ることができたが、次からバスの席は縦一列バラバラに抑えることに決めた。
13:30 カンポス・ド・ジョルダンに到着
バスターミナルにWi-Fiはなく、Simカードも機能しない。外ではサカエさんがストレッチをしている。
Wifiを求めて街を少し歩いた。酒屋のスタッフにWi-Fiを使わせてもらえるように頼み、リカーを一本購入してようやくレンタカー屋にメッセージを送ることができた。ちなみにバス停の目の前の小さいカフェでもWi-Fiは使えたのだが、素通りしてしまっていた。サンベント・ド・サプカイまではバスで移動しようと考えていたが、レンタカー屋のオーナーに連絡を取ると迎えに来てくれることになった。タクシー代はもちろん払ったが、それでも三人で100レアル(約3,000円)ほど。とても助かった。
今回、利用したレンタカーはここ。
Resalvo (ホザルボ)という陽気なおっちゃんが迎えに来てくれた。個人でやっているレンタカーであり、「日本のパスポートと国際免許証があれば大丈夫!」と太鼓判を押してくれていた。
ちなみにブラジルはジュネーヴ条約に入っていない(国際免許証は無効)
なのだが、ホザルボが自信満々に大丈夫!と答えるので、きっと大丈夫なのだろう。深くは追求しないことにした。アメリカに住んでいたことがあり、英語も大丈夫とのこと。
17:00頃にサンベント・ド・サプカイに辿り着き、そこから宿まで。宿はAirbnbで抑えた宿だが、オーナーのお母さんも遅くまで待っていてくれた。無事チェックインすることもでき、スーパーで買い物を済ませ、ようやく1日を終えた。直前までカナダにいた自分にはビールも肉もお手頃な価格帯だ。ひどく長い1日に感じたが、久しぶりの酒と肉でしっかりと充電できた。
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