2020年の振り返りと2021年の目標

レビュー・感想

2020年が終わった。ブログも新しくしたので、しっかりと振り返ろうと思います。

コロナの影響で当初の計画からは大幅に変わってしまいましたが、何だかんだでクライミングに関しては色んなことを経験出来た年だったとも言えるし、五段を落としただけの年だったとも言える。

2020年の目標

過去ブログ

【クライミングの目標】

▲V15三部作(シャンバラ、白道、ハイドランジア)
✔️14Cを登る
✔️マルチ・トラッドをやる

【生活面の目標】

・長期の旅で英語以外の語学習得
・ブログ、SNSを更新する

V15三部作とディペンデンス

もはやクライミングはグレードだと言わんばかりの目標。しかし、この年はそうだった。丁度mickipediaさんがグレードを追うことについて言及するブログを書いていたが、 何よりもまず憧れのグレードを登らないことには次のクライミングに進めない。

、、、ということもないけど、モヤモヤは残る。

そもそもクライミングを始めたばかりの頃はグレードくらいしか目標にするものを知らなかった。仮に全国の岩カタログを見せてもらっても「これを目標にします!」なんてその場で決められなかったと思う。

「世界最難っていくつなんですか?」「V15まであるよ」という会話から始まって「いつかその域まで辿りつけるんかな?」と思っていた。

一方でグレードだけを追っていたわけでもなく、全部の岩を登りたいとも思っていた。自分の得意・不得意も分かってなくて、ある意味ではグレードに捉われていなかった面もあった。初段が登れたあとでも北山公園の3級を本気で打ち込んでいた。具体的に言うと木下フェース(3級)とか。

ひとまずの目標が「クライミング歴何年目までに何段を登る」というものだった。

クライミングを続けているうちに海外のかっこいい岩に憧れるようになったり、ハイボールに惹かれたりするようになったりして、グレード以外の要素でもクライミングを見るようになっていった。色んなスタイルで登るクライマーを見て、自分はこうありたいと思えるようなクライマー像を持つようにもなった。

今までで1番登れて嬉しかったラインはFortaleza(V14)だし、世界で1番カッコいいと思うラインはAirstar (V13)だ。Airstarが登れた時は「もうこれ以上登りたいと思えるラインはないな」と本気で思った。今でも世界一で、間違いなくどんなV15よりも嬉しい。

Fortalezaはそのライン自体ももちろんだけど、ツアー全体を通して色んな出来事があった。情報が何もないところから始まった。岩場への行き方すら分かっていなかった。滅茶苦茶な一人旅だ。だからこそ登れた時の喜びは「難しいラインが登れた」だけでは表現出来ないものだった。

けど、クライミング始めたての頃の初々しい憧れを蔑ろにして「クライミングはグレードじゃない」ということもない。

それ以外の要素を知ったからって「クライミングをグレードだけで見てるなんて残念」なんて言ってしまっては、自己否定極まりない。あの頃の自分は早く四段を登りたかったし、京大ウォールの大先輩M氏が登った時期よりも早く冷酷(四段)を落とすことを目標にしていた。

そして今、V15に手が届きそうだと思ったら、やるしかない。

ということで何年もかかったけど、この年にシャンバラ(五段+/ V15)と白道(五段+/V15)が登れた。

特に白道ルーフの格好良さはグレードなんて関係ないものだった。トップアウト出来るとわかってからはこのラインの虜だった。強さに憧れた10代と気取り始めた20代、両方の自分を満足させるラインだった。

そしてシャンバラも好きなラインだった。アガルタで十分という人もいるが、個人的にはルーフ奥のガバからスタートする方がいいなとずっと思っていた。

白道
シャンバラ(過去の記事に動画のリンク追加しました)

2018年に登ったバベルに関しては何とも言えない。体感グレードを素直に述べるならやはり白道・シャンバラとはワングレードは違う。ひとまず今年の振り返りからは逸れてしまうので、この話は一旦置いておきます。

そしていよいよと意気込んでいたラスボスのハイドランジアは、まさかの漁業関係者との調整により一時的な自粛。ワーキングホリデーに行くことはコロナ前から計画していたので、あまりにも残念な出来事だった。

しかし今後ずっと塩原で登るためには必要な期間のはず。もしかしたら縁がないラインだったのかもしれないけど、いつかまたトライ出来ることを信じて待つしかない。何より話し合いの場に立っていただているクライマーの皆様には感謝しかない。

ありがとうございます。

ハイドランジアがトライ出来ないとわかってから、取り組んだのがディペンデンス(四段)だった。

グレード追求に関する考察はクライミング界で周期的に立ち上がっていて、人それぞれ何かしらの答えを持ってたり、完全に無視を決め込んでいたりと色々あると思う。

ディペンデンスは自分にとってその答えとも言えるラインだった。Airstarと同様に強烈に引きつけられた。

こちらは残念ながら登れず、憧れのまま終えてしまった。けど、前進もあった。あとほんの数センチのところまで来ている。今は勇気を振り絞ったことを褒めつつ、またいつか挑みたい。

コロナやエリア問題もあったけど、ボルダーに関しては掲げた目標の2/3は達成出来た上に、大きな怪我もなくやり切ったので素直に自分を褒めたいと思えた1年でした。

5.14c

そしてリードはメタフォース(14C)が登れた。これは本当に嬉しかった。ボルダラー向けのルートだけど、なんでもまずは得意なとこから取り組めればいいかなと思う。

京大ウォールという小さな壁からクライミングを始めて、こんなところまでやって来たというのが本当に感慨深い。

少しずつリードも板についてきたのか、周りから見てルートクライマーっぽい登りが出来ていると言われるシーンもあったのも嬉しい。

ただ、繋げに時間がかかったりグリップがガタガタだったりとダメな部分が多いので、もっと頑張りたい。まだまだボルダラーのフィジカルの余波で登ってる感じ。とはいえボルダリングも片手懸垂師としてのフィジカルの余波でやってるところあるけど。

そしてメタフォース以外の14は何一つ登れていないのが地味に悔しい。

この悔しさをスペインにぶつけてきます。ビレイパートナーが見つかれば。。。

そして14cを目標にしていたのは、生涯目標ルートへのステップとしてのこと。トライできる目処は少しずつたってきているが、今のままじゃ現地に入国出来るかも怪しい。本当にコロナが早く落ち着いて欲しい。

マルチ・トラッド

コロナで海外に行けなくなった代わりに、マルチ・トラッドはとても充実した1年でした。

トネギやNakano さん、Fukuザワさんに助けられました。以下登った主な課題。(抜け漏れあるかも)

◆マルチ

太陽の登(6ピッチ、5.12c)
コスモス(3ピッチまで)
山河微笑 –さんがほほえみ (5ピッチ、5.10a)
淡路島 スラブ&左岸壁

◆トラッド

Freedom (5.13a)
画竜点睛(5.12d)
ザ・ナバリ(5.11d OS)
3時 (5.11a)
春うらら(1ピッチ目、5.11b OS)
クレイジージャム(5.10d, OS)
ジャックと豆の木(5.10b/c OS)
カサブランカ(5.10a OS)

ナチュプロルート以外でも蒼天攀路や龍脈門、チョーサイコールーフなど気持ちのいいクライミングが多かった。シャンバラ、白道でストイックになってたので、その反動もあってかクライミングがとにかく楽しいと感じてた気がする。

ただ”Freedom”や”3時”など、危ないトライが多かった。だいたい周りでトラッドやってる人たちもグラウンドフォールしてたり、意図せずフリーソロになってたりとかしてるので、トラッドに関しては本当に気をつけたい。

具体的にはオンサイトやフラッシュの欲に目が眩むと危ないトライになりがちなので、1トライ目の引き際をしっかり決めようと思う。カムが足らないと思った時は、例え余力があっても判断ミスだと受けとめて一旦テンションをかける。

そしてフリーダムの時みたいに気付くと引き返すこともできず突っ込まざるを得ない状況もあるので、常に最後のプロテクションの位置を気にする癖をつけたい。

2020年の生活面の目標

コロナの影響を色濃く受けたのがこっち側の目標でした。

・長期の旅で英語以外の言語習得
・ブログ、SNSを更新する

というものでした。当然の如く「長期の旅」は無理、、、と見せかけて、滑り込みでスペインにやってきています。達成とは言えないものの最大限の成果!と言えるのか。

当初は6月頃にワーホリに行く予定だったし、何なら行き先もスペインじゃなくてチリを考えていた。ついでにまたブラジルにも行く気満々だった。世界が一変してから特に南米はダメージが大きく、入国も出来ない状況になってしまったのでどうしようかと悩んでいたところに、スペインなら行けるかも、となった。年末に向けてドタバタしながらも申請を出したらしっかりとビザが降りました。

このような状況で海外に出れてるだけでもありがたいことなので、折角のワーホリを楽しんできます。

世界一周の時は「絶対頑張らない」と決めていたけど、人生は続くので今回はちゃんと何かしら頑張りたい。

特に2020の目標の「英語以外の言語習得」はコロナのせいにして途中で挫折したので2021に引き続ぎます。今度は言い訳のしようがない。

因みに2020年はこっそりとポルトガル語を頑張っていて、一応参考書を一周した。掛けた時間は中々のものなのに、何一つ身になってない。語学学習は日々の継続が大事だと実感したので、スペインで活かします。

しかしスペインに来て2週間経った今、この言語が身につく気配を感じないのだが。大丈夫なのだろうか。

そしてブログ、SNSはようやくブログの引っ越しも完了して、割とちゃんと取り組めました。これは逆にコロナで暇が増えたから出来たことでもある。そして今過去の記事を移転中、予想以上に大変…

ずっと適当なブログ運営だったけど、何だかんだでサポートも頂いているので、今後もちゃんと更新していきます。あと何だかんだで「ブログ読んでます」と言われると嬉しくて、書くモチベーションもあがります。日頃読んでいただいている方々、ありがとうございます。読んでるよね??

2021年の目標

今年の目標も!

【クライミング&片手懸垂】

・生涯目標ルートにトライする
・5.14d (9a)
・片手懸垂 反動あり 24回
・片手懸垂 無反動 8回

7,8月の様子次第だけど、生涯目標ルートへ挑戦したい。行ける時に行っておかないと。社会情勢によるけど、ガチの行けたら行くってやつ。そのためにもスペインで持久力を鍛える。

そしてスペインに折角来ているのでグレード更新も目標にします!9aって響きがいい!

折角のスペインなので「名ルートをとにかく沢山登りたい」という願望もあるけど、グレードを押し上げる意識がないと簡単に暴飲暴食に走りそうなので、9aを登るつもりで取り組みます。白道やシャンバラみたいに夢中になれる9aに出会えるかが最初の核心。何ならLa・Rambla(5.15a)でもいい。早くシウラナ行きてぇ!

最後に、本業復帰宣言!ナラサキトモアに唯一勝てるムーヴ、片手懸垂!

2018年を最後に片手懸垂の記録が止まっているので、このワーホリ中に24回を目指します。完全に自分ルールで行っている記録ですが。

あと反動なしでも回数をこなせるようにしたい。”日本からとんでもないOneHandPullUpperがやってきた!”とスペイン人に言わしめたい。

【生活面】

・スペイン語の習得
・怪我しない!

基礎からスペイン語をじっくりやってます。本当に出国前に済ませておけよ、というレベルから始めてます。ドタバタし過ぎてた上に岩に行きまくってたのでこんな状況に。再帰代名詞とかマジ分からん。使いこなせる気がしない。スペイン語話せる人が”スペイン語は簡単だよ”って口をそろえて言うけど、トマト好きの”このミニトマト甘いよ”と同じくらい嘘で塗り固められている気がする。というか嘘を嘘と気付かずに発せられている。埋められない溝がある。

半年後には”スペイン語は簡単だよ”と言ってたい。

最後に、本当に怪我には気を付けたい。折角のワーホリを引きこもりで終えたくはない。マルガレフとかはポケットが多いので、パキリ癖のある自分はそこのところ本当に気を付けます。ボルダーは人がいるときこそ要注意。

ということで、無理せず頑張ります。

参考

そしてブログで紹介するのは今更になりますが、旧職場のアングラYoutubeで片手懸垂のノウハウを紹介してますので、こちらも是非ご覧になってください。

折角なのでもう少し補足すると

・片手懸垂(反動有)の重心の起動は円軌道と言っていますが、どちらかというと三角です。
一度重心を水平方向に動かし、次に斜め上に(握っている手に向けて)引き上げる感覚で持ち上げる
・片手懸垂を行うための最低懸垂回数はだいたい15回くらい。と言っていますが、回数だけじゃなく「勢い」も大事です。特にリードメインの方は「スタティックに懸垂を20回」出来る人がいたりしますが、それよりも「バーが胸元あたりに来るくらい勢いよく10回」とか「マッスルアップが5回」出来る人の方が片手懸垂に近い気がします。結局、持久力よりも最大出力が大事なので。中々引きあがらない人は、懸垂の仕方を変えてみるのもありです。
・”クライミングが片手懸垂に役立つか”で役立たない、と答えていますが、厳密には
①2~3回までなら役立つ。5回以上出来る必要はない。
②保持力とセットで身につけないと意味がない。ガバホールドは結局マッチ出来てしまうから。
が個人の結論です。マッチ出来ないくらいのホールドをフルリーチで止めて、そこからさらに一手出す、みたいなシーンで活躍する気がします。そのとき保持力が足りていないと引くことも出来ないので、保持力とセットで身に着けると懸垂力が活きてくるように感じます。

京大ウォールの片手キャンパス動画

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