TENIASHI TOUR ① 〜世界からJが消えたなら〜

淡路島

J「アベちゃん?・・・アベちゃんですよね!?」

abe 「どなたでしょうか?」

J「オレです!Jです。覚えてませんか?」

abe「ちょっと存じあげないです」

J「捻挫でお馴染みのJですよ!」

abe「人違いだと思いますよ」

J「そんな、3年前にも徳島まで泊まりに行ったじゃないか!」

abe「とねぎかわいー」

J「アベちゃんまで、、、」

abe「とねぎテニアシコンペ来いよー」

J「もうどこにも、Jを知るものはいないのか」

 

 

 

Jongwon Chon
Jain Kim
Jernej Kruder
Janja Garnbret
Jeremy Bonder
Jan Hoyer
Jakob Schubert
Jessica Pilz
Ramon Julian
Jorg Verhoeven
Jimmy Webb
Jason Keel
Kevin Jorgeson
James Kassay

この世界に、神の天敵と言われたJの名を持つものたちはいない

2019年女子BWCは混戦模様を呈し、最後まで誰が年間タイトルを取るか分からない白熱したシーズンとなった。直後の世界選手権では野口選手がコンバインドを制し、オリンピック金メダル最有力候補として日本の期待を一心に背負うことになる。

BWC男子は日本勢の独壇場となり、アジア人初の年間チャンピオンはナラサキトモアの手に渡っていた。

一方でスロベニアはナショナルランキング争いから離脱し、同様にオーストリアのリードクライマーたちも肩身の狭い思いをしている。

ドイツ人は真面目とうたわれる国民性の通り、設定ムーヴを忠実に読み解くスタイルが主流となる。リーチの暴力によるショートカットなんてもっての外だ。フランスでは至高の文化としてクライミングが育ち、子犬のようなテンションではしゃぐ選手はいない。ただし、裸足で登るやつはいる。

スペインではパチ・ウソビアカ以来、WCの表彰台を狙えるクライマーが久しく現れていない。「クライミングはリーチがないと不利」という通説を打破するようなクライマーは現れないものか。そして国土の1/4が海面下に位置するオランダからクライミングヒーローが生まれるのは、まだまだ先の話になりそうだ。

アメリカのクライミングシーンではショーン・ラバトウがOff the Wagon Sitを登るまでダニエル・ウッズが唯一のV16 First Ascensionistとして活躍していた。しかし高難度ハイボルダーを攻め込むクライマーが現れない中、遂にビショップの象徴的なグランパボルダーにボルトが打ち込まれてしまい、世界中のハイボルフリーク達から冷めた視線が送られていた。

それでもクライミングは欧米諸国をはじめ北半球の先進国が牽引しており、グランピアンズでは今日もクリケットの試合があちこちで開かれている。

そして日本人は、未だに連続片手懸垂20回の壁を破ることが出来ていない。

 

 

 

 

J「なんてことだ。御手洗のククゼンは結局トール・ナカジマに初登されてしまっただなんて」

abe「どなたか分かりませんが、ついでに来られます?」

J「テニアシコンペ、、、行く!行きます!!」

まだ可能性はある。面・まぶし・オールドホールドの壁でオレのフィジカルを見せることが出来れば、Jを思い出してもらえるかもしれない。

こうしてトネギのバーターとして映えある予選を勝ち抜いたオレはTENIASHIコンペ2020に出場することになった

 

 

 

 

 

11/26 (木)

PM10:00

まさかの前夜発。車で。

大会要項に書かれた注意事項に従い11月中は出来る限り息をしないで過ごしたオレは、チアノーゼ気味になりながらも余命短いウィッシュを走らせていた。

道中「愛の不時着」「トゥルーマンショー」「アバウトタイム」を見た。アバウトタイム面白い。ジェイがいいキャラしてる。

夜更けに淡路島SAに到着。仮眠とってからシラス丼を食す。うまっ。

12:00に大岩壁へ

瀬戸内海!
地層女子

今回、こちらの記事を参考にさせてもらいました。赤いラインの通りに歩くと、見事に大岩壁に辿り着けた。

https://www.kojitusanso.jp/tozan-report/detail/?fm=23987

この辺から茂みに入っていく

過去に一度文明でも滅びたんかと思うような廃墟アプローチを通り過ぎる。

きっとここにもJの一族がいたに違いない

岩壁の上に出た。括り付けてあるロープを持って海岸に降りていく。

プライベートビーチ感が凄い

この戦場に向かう感じが良い
玉葱を拾った葱

まずは正面スラブ(5.9 、3ピッチ)から。

どこにプロテクションを取っていいのか分からないままひたすら登る

ロケーション最高!

どこから登るべきかというルートファインディング能力と、脆すぎる岩を剥がさないように登る丁寧さが求められた。結果、滅茶苦茶ボルト見逃した。

あとトゲを回避する注意力。ちょいちょい痛いねん。

気持ちよく登った後は懸垂下降で降りて、左岸壁(5.10a, 4ピッチ)にトライ。しかしノンビリし過ぎたため、淡路島バーガーの時間に間に合うか怪しくなってきた。

てことで4ピッチ中3ピッチを一気に駆け上がる。80mロープをここまでフルに使ったのは初めて。

再び廃墟を通り過ぎて、淡路島バーガーへ

うまっっっ!

玉葱に座る葱

渦潮と夕焼けを眺めたあと、もう一度駐車場に戻って「南淡の虎(初段)」をトライする。横の岩に激突しながら一撃。

トネギが横の岩にカスリもせず登るので、もう一度登り直す。

もう少し登りたいと思ったので、真下スタートで遊んでみる。

スタートポジション

一級か初段くらいか。どちらにせよ大量のフナムシの存在を脳内から消すのが核心。あんなつぶらな眼をしてるのに、見てると体がゾワゾワするのは何でなんだ。

いい感じにテニアシコンペの最終調整を終えて移動開始

徳島入りして温泉入って、金曜ロードショーのルパン3世を少し見て、時の最果てみたいな場所で就寝

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