2018年の振り返りと2019年の抱負

明けましておめでとうございます

久しぶりのブログ更新

指は未だに治らず、、、力は込められるようになってきたけど、登るとまた直ぐに痛み出す。
この繰り返しが中々治らない一番の理由なんやろうな

年末年始は引き籠もりがちな自分に声をかけてくれたMishkaの白道トライを応援したり、いがぐりハウスで年越しDAWN WALLを見たり

それ以外はひたすらカロリーを摂取することに追われ、実家に戻ったあとは猫を撫でることに腐心していたため、ブログを更新する暇がなかった次第です

新年も早速10日が過ぎたあたりで、ようやく前年の振り返りと新年の抱負でも書こうかと

2018年はとにかくクライミング一筋で頑張ろうと奮起した年で

5月には自身初のV15であるバベルを完登出来たり

久しぶりに国体に出場したり

塩原ルーフのユーマ、ヒドラも登れたりと、まぁまぁ成果があったものの

年初めの白道トライは敗退に終わり、夏の伴奏者トライも繋がらず、ブラジルツアーではあと一歩のところでFortalezaV15が登れなかったりと一進一退を繰り返す感じに

そしてハイドランジアで思い切りパきり、最終的には完全に負け越した年でした

人生で最悪の怪我です。思えば学生生活最後の年にも左手の薬指をパきり、FF9とFF10と修論に没頭する毎日。そして今は、仕事以外では大逆転裁判に没頭する毎日。

自身を俯瞰すると冷静ではいられないヤバさ。周りから「普段何してんの?」と問われたら、捨てきれない自尊心のあまり「弁護士」と答えてしまいそうなくらいヤバイ。ただのフリーターなんですけど。

色々と考えていた今後のプランも全見直し。これが吉と出ることはあるだろうか

何にせよ今のプロジェクト達には決着をつけて、スッキリした心持ちで次へ進みたいが、、、

思えば学生最後の年にもいくつもプロジェクトを関西に残したまま関東に来てしまった

気合が入れば入るほど、空回りしている人生な気がする

そんなもんで結構嫌になってます。パワプロのサクセスだったら100%リセットしてる。こんな捨てゲー。ダイジョーブ博士が現れたら投げやりに改造手術に走ってる。

とはいえ、伊坂幸太郎もオーデュボンの祈りで書いているように「一回しか生きられないんだから、全部受け入れるしかねえんだ」と思い、頑張って現実を受け入れるようにしています。

ちょうどタイムリーに、福男に人生を掛けたもののゴール直前に転倒し、さらには翌年交通事故でリハビリ生活を余儀なくされ、最終的には走ることが出来なくなってしまった人生談をテレビで見たとこだし

パキったくらいで凹んでる場合じゃない、、、はず

と、いうわけで

2019年はまずは復活することを第一に考え、2018年のリベンジを狙う年にします

このブログでは14登るとか言ったり、色んな課題のティックリストあげたり、世界旅行のブログを書ききるとか言ったり、、、尽く有言実行出来ていることは少ないけど、頑張ります。

そんな2019年の一番の目標は「Fortaleza V15」のリベンジ!

そして

白道
ハイドランジア
シャンバラ

の完登

例え龍さんやノム神がこれらを秒殺しようと、周りの成果にモチベーションを揺らいだりすることなく、自分の登りたいラインに決着をつけたい

左手が痛むうちは火も点かないだろうけど、心機一転ゆっくりと頑張っていきます

そして仕事面では、2018年は思っていた以上にセットの仕事をいただけて、お陰様でやっていけたところです。そのほかにもスクール講師だったり、記事の投稿だったりと、色々と活動させてもらいました。2019年もクライミングに打ち込むので、クライミング関係の仕事は引き続き妥協せず頑張っていきたい。そしてそれだけでなく、新しい仕事も頑張っていきたい。
次回ブラジルツアーのイミグレーションカードには「No Job」でも「attorney」でもなく、堂々と職業を書き込みたい。。。

そんな2019年ですが、引き続きよろしくお願い致します。

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そしてここから別の話

流し読みしてもらって全然構わない内容です。
というか読まなくても全然構わない内容です。めっちゃ長文ですし。
チッピングの話です。2018年は衝撃的なチッピング事件が2件ありました。下呂のワールドロックと御岳の忍者岩&デッドエンド岩。

 ワールドロックについては自分が初登した「アンクルサムV12」を破壊され、とにかく悲しい結果に終わってしまった。自分にとって初登というのは常に憧れで、今後クライミング文化が続く中で、カッコイイラインの初登者としていれることはとても誇らしいことだと考えていたからです。それこそ何十年と経ったあと、誰かが自分の初登した課題を打ち込んで、長い戦いの末に悲願の完登を成し遂げる、そんなドラマがあったのなら勝手ながら自分も嬉しいと思ってしまうし、そうして誰かの目標になる課題を生み出したことを誇りに思えるからです。それが失われてしまった。そしてあれから半年、忍者岩のチッピングという衝撃的なニュースが年の瀬に報じられました。

この件に関しても正直、遺憾に思うと言うほかないのですが、特に何かを言及する予定はありませんでした。
理由は、3つあって、1つは最近SNSを見ないようにしていたため、忍者返しのチッピングの件について情報が少なかったから。SNSを見ないようにしていたのは、単純に怪我で登れないときに他の人の登ってる投稿を見ると、余計に辛くなるから。
 2つ目は、このブログは元々個人的なブログかつ身内ネタを使ったりもするようなブログだったわけで、当時から繊細な話題に触れるのは避けてきたから。もちろん今ではシューズレビューや仕事の宣伝といった活動の場にも使っているため、「個人の日記」で済ませるものではなくなってきてるのも実感しています。とはいえ、発言を強要されるものでもないかと。
 そして3つ目が、「特に新しい意見もない」ということです。ネット上に色んな意見が出ていますが、それらに加えて特に自分が生産的な発言を出来る気もしなかったので、何かを書く
必要性を感じなかった。そして、感情的にもそこまで火が付かなかった。自分は忍者返し岩もデッドエンド岩も、登りたいラインは登ってしまっていて、課題を壊されたショックはトライ中の人たちに比べたら薄かったと思う。そして既にSNS上でいくつもの怒りの声があがっていて、そこに何かを足す気にはならなかった。チッピング自体に対する怒りや、忍者岩の課題をトライしている友人を悲しませたことに対する怒りもありますが、このブログで人の意見を勝手に推測して代弁するつもりもないので。

 とはいえ中には「こんなに大事な問題なのに、何も声をあげないクライマーは何なのか」という意見も見ました。特に「名のあるクライマー達は、責任感はないのか」といった意見も。
一理あると思いました。しかし同時に、困惑の気持ちも。もはや「いじめは傍観者も同罪」くらいの勢い。いや、言いたいことはわかるけど、突然自分の知らないところで事件が発生して、何もしてなかったら「責任感」を問われるなんて。と、ちょっと焦ります。

 そして日本人的に難しいところは「これって自分も含まれてんの?」という疑問。これは難しい。この流れで意見を書いたら今度は「え、Jってそんな立場なの?そんなレベルじゃないでしょ?」となる。これは恥ずかしい。書いても書かなくてももどかしい。何か基準を設けて欲しい。。。やっぱりSNS見なきゃよかった。。。なんて思うレベル。考え過ぎか。
 そんなわけで沈黙を続けていたのですが、身近なクライマーからも意見書いてよ、とか言われたり、敬愛するバトルロッククライミングの著者もこの件に関して意見を述べたりする中で、自分も思うところを書いておこうと思い立った次第です。

 そして、やっぱり書くならちゃんと思ったこと全部書こうかなと。それも残る形で。というわけでブログに書きます。個人的にFB、TwitterなどのSNSはやっぱり一過性のものな気がしています。比較的ですが、ブログの方がしっかりと残るかな、と。

 そして最初に書いておきたいのが「傍観者効果」というのもの。チッピングが連発することを由々しき事態だと捉えているクライマーは多数いると思いますし、その気持ちは本当のことなのでしょうが、実際に行動を起こせるクライマーは少ないと思います。その理由は「具体的に何をしていいか分からない」というのもあるかと思いますが、もう一つ「傍観者効果」もあると思います。これは平たく言えば「誰かが行動してくれるだろう」と思って結局「誰も行動しない」というもの。
 まぁ実際そうかはわからないとこですが、少なくとも自分にはこれが当てはまっていると思っています。こう明言することはかなり情けない話ですが、実際に自分が何か行動を起こすわけではないのに、この本心を隠してこれから偉そうなことを述べる、というのも嫌だったので、ここで明言しておきます。それら踏まえた上で、今回のチッピングに対して思ったことを書いていきます。

 まず、もし単純に意見の数を増やすことに意味があるのならば話は単純で、自分はチッピングはフリークライミングの根本的な思想と反することから、フリークライミングをやる上で絶対にやってはいけないことだと思ってます。そして「チッピングをすると悲しむ人が多数いる」ということを認知した上で削っているのであれば、それはチッピングの是非以前の問題で、単純に人を悲しませる行為だから本当にやめて欲しいと思っています。そうではなく岩を削る行為に何か意味が有るなら、隠れてやるのではなくその意見を真っ向からぶつけて欲しいと思っています。
 またチッピング後の課題を登ることについては、やはり個人の自由でしかないところかとは思ってます。登ることがチッピングを容認することになる、という考え方は腑に落ちないです。

 しかしやはり申し訳ないのが、犯人を特定する方法や今後チッピングをさせないための具体的な方法を提示することも出来ないし、提示出来たところでそれを実行することも出来ない。本当に口だけになってしまうことです。
 強いて挙げるなら、チッピングを防ぐための組織を立ち上げる気概はないけど、防ぐための活動に参加するとか、もし基金を募るのなら少し支援することが出来るかな、というくらい。例えば本当に有名な岩にWEBカメラを仕掛ける活動をどこかがやってくれるなら、金銭的な支援します。フリーターなりの金額ですが。。。

自分の言える意見はそのくらいです。

ただそんなありきたりな話だけだとやっぱり虚しいので、もう一つ。
自分にとっての忍者岩の思い出を書いておこうと思います。

 初めて忍者岩に来たのはこのブログを始めるもっと前、大学1年生の夏に当時京大Wallの同期だったSEと二人で、夏のツアーとしてきました。ヘタリまくったマット1枚と夏用テントを持って夜行バスで東京まで。東屋でキャンプしてたら、ここはキャンプ禁止ということで、東屋の外でテント泊。。。

 忍者返しをひたすら打ち込み、先にSEが登り、二人だけのツアーなのにSEの完登をまともに祝うことも出来ずに、ただ登れない悔しさで凹んでいたのを今でも思い出します。今ではアップで登る忍者返しも、このツアーではトライ3日目でようやく登れました。そしてその嬉しさも覚えてるけど、何より一緒にツアーしている友人の完登をちゃんと祝えない幼さを後々深く反省したことが印象深い。途中台風が来て、近くのジム「カランバ」へ行き、オーナーに相談してジムに泊めてもらったり。このときもSEの行動力に驚いた。
 大学生になりたての自分にとって、この御岳ツアーは人間的にも大きな経験をさせてくれたツアーでした。忍者返しとデッドエンドを登れたことだけでなく、色んな成果があった気がします。

 それから御岳は茨城への帰省の度に立ち寄る岩場となり、1年間の成長を試す場となりました。毎年年末に夜行バスで帰省し、一度御岳に立ち寄ってから実家に帰る流れが出来てました。
 大学2年生の年末に虫3段を、3年生の年末に蛙3段、そして4年生の年末に蟹虫4段を完登しました。
 中でも蟹虫4段の完登は思い出深かった。極寒の早朝の忍者岩で入念にアップし、1年ぶりのムーヴを思い出し、繋げトライを始めました。確か2トライ目でリップを止めましたが、マントルで落ちてしまった。もう少しで右足が上がる、というタイミングで落ちたため、マット外まで転がるほどの落ち方をし、首周りが痛み、体はよれ切った。それからリップが止まらなくなり、次第に夜行バス移動の疲れも出てきて、ウトウトしだす。
ひと眠りすると体は冷え切り、首の痛みは増していました。諦めようかとも思いましたが、また1年先延ばしにするのも悔しすぎて、ラスト1トライと決めて再びアップを開始。ロッキーボルダーまでランニングして、必死に体を温め直し、最後のトライ。とにかく猫パンチ覚悟で思い切り左手を出すと、リップが止まっていた。一度深呼吸して、必死にマントルを返した。完登の喜び冷めやらぬままに、急いで荷物をまとめ、帰りの電車に間に合わすために駅まで走った気がする。本当に嬉しかった。

 京都にいると「御岳に行ってみたい」とか「今度行くんだけど虫ってどうなん?」とか、そんな話題が上がる。同じ課題を共有して、会話が弾むのは外岩ならではだと思う。

忍者返しはそんな思い出深い岩で、自分を成長させてくれたり、成長を感じさせてくれた岩でした。

 だから今回のチッピングは自分にとって、例えば思い出の校舎が廃校になったような、そんな喪失感を伴う事件でした。特に最近は若い世代と一緒に登る機会が増え、今後彼ら・彼女らも挑戦するはずだった課題たちが別物に変わってしまったと思うと、残念でなりません。
 そして、護岸工事の関係でとか、自然の猛威でとか、クライミング界をとりまくもっと大きな何かによって課題が消えてしまうなら気持ちの整理もつくし、希な事例だったな、で片付くのですが、特定の個人(または団体)が何かしらの見えない意図を持ってこのような行為を繰り返しているというのは、本当に恐ろしい話です。実際、既に鳳来のイニシエーションがやられてます。発生間隔まで狭くなっている。。。

 本当に、チッピングという行為はやめて欲しいと思っています。この発言は相手が愉快犯であったり、クライマーという存在そのものに恨みを持っている人の犯行であれば逆効果かもしれないけど。
でも、もし他の人の気持ちを慮る心があるなら、やはりチッピングという行為がどれだけ人を悲しませることなのかを訴えたいです。そして「もうやめてください」とお願いしたい。法律に反しているかどうかではなく、悲しむ人がいるかどうかを考え、やめてほしいです。

このような行為が今後起きないことを祈ります。

そして、これからチッピングを防ぐための活動には、自分なりに協力していくつもりです。

人任せで申し訳ない話ですが。

以上です。

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