8/30(日)瑞牆
雨が来る….もうすぐ
雨がやってくる
あと5分で…..やってくる
「何ピッチだ?何ピッチまで行けた?」
J「….3ピッチです」
「3ピッチぃ??」
「トライ途中にゲリラ豪雨がやってくるっていうのはどういうわけだ?」
J「いかんせん、雨雲レーダーではギリギリ被らないくらいの予報だったので、、インスタストーリーにコメントをくれた友人のアカウント名だってTeruTeru-Bo_zuだったわけで」
「朝5時に来るはずだった無糖はどうした?どうして彼は計画通りに辿り着けないんだ!?」
J「それは、前日小川山でキャンプしたのにゲートが朝7時にならないと開かないのを忘れていて,,,」
ピシャァアアン!!(雷)
「もう一回教えてやるよ。」
「いいか、コンディションのせいにするな!
どんなコンディションにも悪い状況なんてない!徹底的にトライするんだよ!あるのは弱さだけだ!それが分かってないようなやつに、このルートをトライする資格はないんだよ!!!!」
努力してないわけじゃない。クライマーは全員、朝から晩まで憧れのルートをソールをすり減らしながらトライしている。それでもトップアウト出来ないのは5.13というグレードが厳しすぎるからだ。
#1
なんていう殺伐とした空気もなく、コスモス(7p, 13a)をトライしてきた
メンバーはNakanoさん & e-maさん
無糖さんは上記の理由により不参加
AM5:30頃に駐車場を出発、多分6:30頃に大面岩の取り付きに到着
まずは1ピッチ目の12a
フェイス登りからのアンダークラック地帯
NakanoさんがOSトライするも苦戦
二番手Jがリードトライ
上腕に物を言わせてアンダーパートも無事解決。日々の片手懸垂が活きた。
が、残念ながらルーフを乗り越えたあとのフェイス面でフォール。ここまで来たらオンサイトしたかった。
しかも1ピッチ目の終了点はルーフ超えたあと左にあるというのに、右上に行こうとして落ちた。これはホットサマー用のボルトだったのか。トポを読めトポを。これまでの20mはなんだったんだろうなぁ(香川さん風に)
クライムダウンしながら1ピッチ目の終了点に戻る
2ピッチ目 5.11a
3番手で抜ける。うっかりトライしていたのでOSもFLのチャンスもなく、なんならホットサマーのボルトにかけたヌンチャクを回収するためにロープダウンしたので、RPも出来ず。
3ピッチ目 12d
トポ曰く「白眉のライン」。いい意味なのは伝わってくるが白眉がなんだか分からずググる。「優れたものの中でも一際優れているもの。」なんだか昔、国語の教科書で読んだ気がする。
OSトライに気合を入れるも、2ピン目手前でいきなり落ちる。というかここが1番悪かったかも。
その後もヌメリに耐えかねて何度かテンションをかけつつ、どうにか突破。ホンマにいいラインやった。白眉のラインというだけある。
快適なテラスで後続を待っていると、雨雲が立ち込めてくる。3番手のe-maさんがトライし出したあたりで土砂降り。
ヌンチャクを回収するために気合の懸垂下降。nakanoさんが残置リングを設置してくれるも、ロープがスタック。登り返してもらっている間はセルフ取りながら野村萬斎のように昼寝。
どうにかこうにか下山したあとは瑞牆蕎麦!
昔に食って美味かった記憶はあるけど、改めて食べたら超美味かった。
とにかくコシの強さが凄い。しっかりとした歯応えのある蕎麦が好きなので、このくらいコシがある方がいい。蕎麦が名物である信州においても白眉の蕎麦だと思う。
そしてモチモチ絶品カレーパンは、名前の通り絶品だった。また食いたい。
まだ時間があるので増富温泉へ。残念ながらサウナはなかったけど、25°の低温源泉に浸かりながら疲労を抜く
雨にやられたものの、素晴らしい日曜日だった。
次回はコスモスの肝となる6ピッチ目のトライまでこぎ着けたい。
しかし、6ピッチ目はひたすら頭痛をトライしているようなラインだという。上腕クライマーの自分の完登なんて、きっと誰も信じちゃくれない。
「お前なんかに登れるわけがない。十六夜を再登する実力もないお前が」
J「実力がないなら、出来るまでトライするしかない。俺はもう逃げたくない」
的なテンションで再トライを誓う。いつになるかは分からん。
予定より大分早く帰路についたので、帰りはアマプラで「七つの会議」を見ながら帰宅。
これはかなり面白かった。とりあえず冒頭5分を観てもらって、本記事の最初のくだりを香川照之で再生して欲しい。
※以下ネタバレの可能性あり
Nakanoさんのオススメで観てみたけど、とにかく面白かった。サラリーマン&OLの葛藤と苦しみが伝わってくる。流石は下町ロケットの池井戸J。そして野村萬斎と香川照之の迫真の演技がたまらん。ドンドン引き込まれていく上に、予想を裏切る展開が凄い。
歴は浅いものの元サラリーマンとしては身に覚えのある光景があり過ぎる上に、ボルトネジが鍵となる一連の騒動はクライマー的にも変な縁を感じてしまう。
「今も世界中のクライマーが壁に埋め込まれたボルトネジにその命を預けてるんだ!」
「クライマーの命がかかってるんですよ?核心部のボルトが壊れてたら、ランナウトのときどうなりますか!?ボルトごと、クライマーも吹っ飛びますよ!!」
「そうでなくても、1日に何度も何度も懸垂下降の負荷がかかってるんだ!あんた、このネジ一本の重みがどんだけのもんか、、あんた本当に分かってるのか!!!」
くらい熱い人たちがプロテクションを作ってくれてたら嬉しい。
もしクライミングが大規模に興業化したら、瑞牆山全ルートリボルトコンペティションなるものが開催され、強度偽装したベンチャー企業がコンペに紛れ込んだりするのだろうか。
そんな世界線はまずない。
参考
七つの会議
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