3/14、2日目
どこまでも快晴の中、コンパクトカーの後部座席で目覚める
天気良すぎ。が、体はバッキバキ。学生時代に前夜発の車泊で色んな岩場に行っていたのが信じられない。
トルティーヤを作ってくれたクレスポ、モンチョ。同じパーキングで泊まってたポル・ロカに別れを告げてESPADELLES(エスパデージェス)のエリアへ
マルガレフのクラシックエリアであり、1番の高台にあるエリア
10年前には訪れることもなかった
そして10年前は外岩リード経験もほぼゼロの状態で、ただハマちゃんに誘われるがまま着いていくだけだったのが、一人でこんなところまで来たと思うと感慨深いものがある
横一面に続く壁は、7つのエリアに分割され、全部で260近いルートが走る
マルガレフの段々になった岩壁の連なる谷が眼下にうねる
良すぎる
何て居心地のいいエリアなのか
強いてあげるなら風が吹くとやや砂っぽいことと、ハンモックを張る場所がないのが悔やまれる
体が終わってるので、ハンモックに揺られながらノンビリとクライミングしたい
と思いきや、セバスも死んでいた。この日はJもセバスも4便くらいしか出していない
まずはMaligna 7C(12d)をトライ。セバスがOSする。
JもOSできるよ!的なことを言われるので頑張る。上部にレストポイントがあること知っちゃったけど。
ハング超えを粘ると腕はだいぶ張っていたが、デカイ穴でなんちゃってニーバーしながら回復させ、垂壁面でライン取りをミスったりしながらもどうにか登り切る。
何気に12dのオンサイトは初めて。嬉しいやん。
そしてエリアを散歩していると、トポにもTop10と書かれている「Pa tu puta madre 8b+ (14a)」が目に入る。これは登りたくなる一面.
たなみにPutaは英語でいうところの「ビ○チ」的な意味、Madreは母親なので、ざっくりスペイン語版の「サ○バ○ッチ」的な意味になる。パウが教えてくれたけど、知らんかったら「Pa tu puta madreめっちゃいいよね!」って連呼してたかもしれん。。。クライミングあるある。
Pa tu~は残念ながらトライ中の人がいたため、次回までお預け。1人待ちすら惜しむという贅沢なクライミングで、これまたTop10ルートの「Super Vixens 8b+ (14a)」をトライする。
Pauの宿題になっていたらしい。ブマジェに続き、またまたムーヴをすべて教えてもらう。
3ピン目手前のボルダーパート核心から、中間部を気持ちよく登り、デカイガバでレスト、後半一気に3ピン分くらいの傾斜の効いたパートをノンストップで突破する、といった内容
比較的ボルダラー向きだが、最後に1本指からランジするという、これまたJ殺しのセクションが待ち受ける。ランジが決まったら超気持ちいい
幸い1本指は非常に深くて人差し指でもムーヴを起こせる。ここだけなら何の問題もない。繋げてきたら落ちそう。
パウは一度ムーヴをチェックしたあと、キッチリ宿題回収していた。二日目の体力とは思えん。
マスタートライする元気がないので、ムーヴも固まっておりヌンチャクもかかっている、という理由からSuper Vixensをトライ
2便目。いきなり核心成功した。上部のハング部分で左手がすっぽ抜けて落ちる。あと2手くらいは行ける自信あったのに
3便目。2便目より動きがぎこちないが、ギリギリ核心成功。上部のレストポイントでジャミングがよく効くことに気付く。5分くらい休んで後半パート突入。散々レストしたものの、やはり2日目の後半は体が死んでおり、すぐガス切れ。あと4手くらいのところで落ちた。
元気だったらできそうなので、ティックリスト入り。
その後パウはこれまたTop10ルートの「El ball del triceps 8B」をトライしていた
上腕三頭筋のボール(塊?)という意味。最初の傾斜に核心があって、そこからはそんなに難しくないという、超ボルダラー向けらしい
が、一つのポケットを一本指で切り返すというムーヴが出てくる
右手は一本指のアンダー
これがマルガレフか、、、7年経ってパキった過去がどんどん悔やまれてきた。スリングみたいなガバポッケですらぶら下がることが出来ない俺にはリスキーすぎる
あとさっきからTop10と書いているが、トポにTop10と書かれているルートが100本くらいある
どういう基準と表記なのか、、、トップ10というのはグレード毎か?それとも女子十二楽坊的な発想なのか。古いか。このエリアだけで14本のTop10がある。
パウはキッチリ登ってきた。2日目の持久力どうなってんの?セバスもキッチリTop10の「Especial Caballeros 8a」を完登。リードクライマー達に比べてJの持久力がなさすぎる。何故だ。。。
何はともあれ、スペインに来てようやく14以上のルートを触ることができ、マルガレフの素晴らしい景色も堪能出来たので、初日としては上々
振り返ると限界グレードでムーヴをバラせたのはFirst ley 5.15aだけ。モノポケットにトラウマを抱える自分には全く出来ない13台も出てくる。過去にグレード論にてサンプル特性によって世間一般の体感グレードとズレが生じてしまう、という話を書いたが久しぶりの海外クライミングで改めて実感した
しかし、だからこそ自分は小柄な人の「これ絶対○級じゃないよー」という言葉を否定しない。
個の意見や価値観が尊重される現代において、30代男性という比較的多数派に属する自分が感覚だけでそれを否定することは、下手すれば差別的発言になってしまう
数多ある意見に埋もれてしまいがちだが、正直な体感から得られたグレードであれば、それはその他の体感グレードと等しく価値を持ち、むしろ貴重で大切にすべきデータとさえ思っている
そして片手懸垂師である自分が平均的なクライマーより「引く力」に秀でているのは当然とも言える。逆に可動域の狭さは尋常じゃない。自分より可動域の狭いクライマーに出会ったことがない。右手で右肩を触ることが出来ない。
Jのサンプル特性を箇条書きにすると次のようになる
年齢:30
性別:男
身長:172
リーチ :168
職業:片手懸垂師
前世:プラモデル
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