ただいまご紹介に預かりました新郎の友人で、片手懸垂師のジェイです
まずは新郎・新婦のお二人、並びにご両家の皆さま、本日は誠におめでとうございます。
新郎のF君と出会ったのは、彼がまだ学生の頃でした。
クライミングジムで出会い、それからクライミング仲間として、そして共に懸垂に励む仲間として、これまで沢山の岩場で懸垂をしてまいりました。
出会った頃の彼は、まだマッスルアップを頑張っている1人の青年でした。
そんな彼がこうして人生のパートナーと出会い、今日という日を迎えられたことを大変嬉しく思います。
結婚式のスピーチとしては些か定番過ぎるかと思いますが、結婚と懸垂は似ているという話をさせていただきたいと思います。
食事・懸垂・睡眠。皆さんが日頃何気なく行なっている懸垂という行為ですが、結婚というのはこの行為ととてもよく似ております。
この場にいる皆さまにとって、懸垂は難しいことではないでしょう。ぶら下がり続けるだけなら、きっといつまででもぶら下がっていられると思います。
しかしこの懸垂も、片手になると途端に難しくなります。
片手で引き上げられる人は、中々いません。それどころか、ぶら下がり続けることもままなりません。棒を掴むその手は次第に痺れ、いずれ限界が来てしまいます。
懸垂というのは、手が二つあって初めて楽に行うことができます。
例え腕が痺れたとしても、少しの間片方の手で支えることで、もう片方の手を休ませることができます。
同じようにもう片方の手も休ませた後に、二つの手で掴み直せば、また長くぶら下がり続けることが出来ます。
では、懸垂師が掴んでいる棒とは、一体何でしょうか
懸垂師にとっての幸せとは、懸垂することです。そして懸垂をする時には必ず横に伸びた棒を掴みます。
お決まりの文句ですが、幸せから横棒を外してしまえば、辛いという字になります。
つらい、つらいと言って棒を離してしまえば幸せは逃げていきます。
そう、懸垂師が掴んでいるものは幸せそのものなんですね
結婚されたということは、今まさに2人で幸せを掴んだということです
これからは、その幸せの棒を掴んで離さないことが大事になります
そんな時、片方の腕にだけ負荷がかかってしまっては、長く掴み続けることは難しいでしょう
お互いに支え合い、時には休ませ合い、末永くその幸せの棒を掴んで離さない2人であって欲しいと思います
そして、もう一つ大事なことがあります
もし片手で懸垂が出来るならば、パートナーが辛い状況にある時も、長く支えてあげることが出来るでしょう
余った手は、新しい命を支えることが出来るかもしれません。
きっとその力は、この先大きくなっていく家族を支えるための、大きな力になることと思います。
F君には、これからも懸垂に励み、余ったもう一つの手で大切な人の手を取ることが出来るような、立派な片手懸垂師を目指していただければと思います。
私からの話は以上となります。
改めて、ご結婚おめでとうございます
おまけ ~2次会version~
いいかフミト!
懸垂っていうのは、ただぶら下がるだけじゃ懸垂とは言わねえんだ
懸垂を英語で何て言うか知ってるか?
チン
アップだ!
賃アップなんだよ!
自分という男を引き上げて、たくさん稼いでこその懸垂師だぞ!
だってよ、フミト!
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